2007年11月16日金曜日

エコビレッジの食

エコ・ビレッジの食事は基本的にベジタリアンだ。環境に与える負荷を考肉食をできるだけ減らす、有機的に栽培された食べ物を選ぶなど、エコダイエットの考え方にたっている。日本では馴染みの薄いベジタリアン食に最初は少しとまどったが、なるほど理にかなった考え方だ。
1日1食ないし2食を当番がつくる。
英国、ドイツ・北欧などはいずれも食文化の豊かな国とは言えないが、エコビレッジの食は国の標準値をはるかに上回っていた。季節の野菜や野草を上手に料理しており、お味もなかなかのものだ。食事づくりも毎日となると手を抜きたくなるが、当番のときくらいは張り切ってつくるのだろう。共同のダイニングで一緒に食事をするのもおいしさの秘訣かもしれない。

私も料理は好
き なので、食事当番はすすんで引き受けた。ひじきの煮物、豆腐のステーキ、きゅうりとわかめの酢の物、インゲンの胡麻和え、野菜の煮びたし、アボガドのわさ び醤油サラダ、などなど。最近ヨーロッパでは日本食がちょっとした人気で、ここでも好評をはくした。味噌、醤油、海藻類は比較的簡単に手に入る。

実はベジタリアンにもいろいろなタイプがあって、魚は
OK という人もいれば動物の生産するものは一切ダメという厳しい作法の人たちもいる。後者は環境や健康だけでなく、生命の尊厳など倫理的な理由から超菜食主義を提唱していてビーガンと呼ばれる人たちだ。かつおダシから卵、乳製品、蜂蜜までダメなのときているから、日本人にはかなりハードルが高いと思われる。

どのコミュニテ
ィも敷地内に畑を持ち、多少なりとも野菜を栽培していた。パーマカルチャー、バイオ・ダイナミック、福岡式農法など手法はさまざまだが、化学肥料や農薬に頼らず、自然の力を最大限に活かした農法を試行している。ただヨーロッパは気候的に難しいのか、コミュニティ内で畑作業に従事する人手が足りないのか、残念ながら自家製野菜は夏の一時期だけというコミュニティが多かった。

英 国コーンウォールにある古い共同農場は、農場を経営するために集まったコミュニティでコモンミールなどの習慣はない。それでも農業では収入が足りないので、キャンプ場やビジターの宿泊施設を経営している。土地はたくさんある が、単位面積あたりの収量を上げて作業を集約的にしたい、もしくは外からの収入をメインに、野菜栽培は自家用だけにした方がいいだろうなどという議論をし ていた。

日本でも有機農業で生計をたてるのはかなり難しいが、世界最大の有機野菜のマーケットを誇る英国でも、そう簡単ではないらしい。
地域の有機農家と契約して、定期的に野菜を届けてもらっているところもあった。外部とのつながりを考えると、完全に自給自足を目指して閉じた関係をつくるよりも、うちのキャベツと隣のトマトを交換するくらいの方が望ましいのかもしれない。

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