2007年11月18日日曜日

エコビレッジ訪問 スコットランド2

フィンドホーンにはいわゆる住民が約500人、そのうち有給常勤スタッフとして120人がパークと呼ばれる敷地に住んでいる。コミュニティの定義は狭義ではフィンドホーン財団のメンバーだが、必ずしも敷地内に住んで生活空間を共有しているわけではない。近隣の村に家を持ちながらコミュニティのための労働を担う者もいるし、逆に敷地内に住みつつ外の仕事で生計をたてている人もいる。


オフィスでコンピューターを担当しているウィリアムも、フィンドホーン・パークに6年住んいたが、今は隣の村から通勤しているひとりだ。「中に住むのも楽しいけど、自分の環境や心境にあわせてコミュニティとの関わり方を調整できるのが大事だと思う。たまには距離を置きたいこともあるからね」なるほど、集団内の人間関係が行き詰まらないようにするには、そういう自由度は重要に違いない。ただし、「コミュニティにまったく関心がないのに利益だけを得ようとしたり、他人に依存するような人は困るけどね」というウィリアムの補足はそれ以上に重要なことだろう。

彼によると、住民の中にはヨーロッパだけでなく日本や中国などアジアの国々からやってくる人もいるという。「ここは異文化の集まる場所だから、それぞれの文化によってコミュニケーション方法もさまざまだよ。たとえば僕らスコティッシュは内気だから、ここのオープンな関係性には最初とまどう人も多い。アジア人もそうだろうと思うね。だけど緊密なコミュニティを作っていくには、ひとりひとりが外に対して意識をオープンにしていくことはとても重要なんだ」

フィンドホーンでは研修プログラムの最中も、常に一種独特の空気が漂っている。神やエンジェルという言葉や、握手や抱擁などのスキンシップが頻回に交わされるこの雰囲気に、おそらく多くの一般的日本人と同じように、私も最初は抵抗があった。しかしながら、日を追って仲間たちとの信頼関係が築かれるにつれ、それも次第に自然なものになっていった。

空間が常に整然とととのえられ、花や絵画など美しいもので囲まれているのも、人びとの気持ちをやわらげ明るくするのに役立っている。見た目の美しさだけでなく、ものごとがすべて優雅に正確に進んでいくことにも感心した。組織全体に、しっかりと統率のとれたきめ細かいケアがされていることが想像できる。

英国のコミュニティは「時間にルーズ、雑然として衛生レベルは決して
高くない、ルールや統率が苦手」というのが私の一般的な印象だが、ここではいずれも当てはまらない。コミュニティにもいろいろな文化があるものだ。

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