エ コ・ビレッジにおける経済問題はどこでも課題だ。私有財産を認めないような共産的なコミュニティもなかにはあるが、多くは家族単位の経済的自立が原則で、 一定量(20~40時間)のボランタリーな労働をコミュニティのために提供するというシステムが一般的なようである。多くの住民は外で若干の仕事をして現 金収入を得るか、貯金か公的な扶助(年金やひとり親家庭手当てなど)に頼っている。障がい者の生活と労働の場として作られたコミュニティは、政府から補助 を受けていた。助成金の取得はそれほど難しくなさそうだったが、公的な金が入るといろいろな制約を受けるという不満も耳にした。
500人 や1000人規模の大きなコミュニティでは、住民同士が各自できることを提供しあったり、地域通貨のような仕組みを導入したりして生活の足しにしている。 人が集まればいろいろな技術や知識も集まるものだ。たとえば元美容師や元庭師などが、自分の技能をコミュニティの中で活かしている。特別な技や資格がなく ても、子どもの世話や買い物、車の運転、ペットの散歩など日常生活に必要なことをシェアしたり、ときには仕事として報酬をもらっている。
人に頼んだり、頼まれたりする ことでトラブルが生じるのではと案じる人も多いが、このようなつながりは経済的であるばかりか、社会に埋もれている潜在的な能力を引き出し、安心して生活 できる社会をつくることにもつながる。いろいろな人がゆるやかに結び合うこと、少しの不便や煩わしさをむしろ楽しく共有することで、個人や家族単位では実 現できない、多様で合理的、そして人間的に豊かな暮らしが実現できるのではないだろうか。
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